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Rizaal, M.; 中島 邦久; 斉藤 拓巳*; 逢坂 正彦; 岡本 孝司*
Journal of Nuclear Science and Technology, 57(9), p.1062 - 1073, 2020/09
被引用回数:8 パーセンタイル:70.65(Nuclear Science & Technology)福島第一原子力発電所2号機においてペデスタル内よりもペデスタル外で線量が高くなっている現象が見つかっている。この線量の上昇については、原子炉格納容器内の配管に使用されている保温材(ケイ酸カルシウム)がガス状あるいは粒子状となって沈着したセシウム(Cs)と化学反応を起こして固着するとともに破損してペデスタル外に堆積することで線量が上昇した可能性があると考えている。そこで、本研究では、化学反応の有無を調べるため、反応温度等を調べることのできる熱重量示差熱分析装置(TG-DTA)を用いて、水素-水蒸気含有雰囲気下、最高1100Cまで温度を上昇させて、主なセシウム化合物の一つである水酸化セシウムと保温材との混合物に対して分析を行った。その結果、575-730Cの範囲で反応が起こり、試験後試料のX線回折パターンや元素分析機能付き走査型電子顕微鏡(SEM/EDS)による試料表面の元素分布の結果から、保温材の構成物質であるケイ素(Si)に加え、不純物として含まれるアルミニウム(Al)と安定な化合物(CsAlSiO)を形成することが分かった。したがって、ペデスタル外で見つかった高線量の原因として、保温材が関係する可能性があることが分かった。
星 三千男; 上野 馨
Radiochem.Radioanal.Lett., 29(6), p.331 - 340, 1977/06
ヘキサアンミンコバルト(III)塩化物を沈殿剤として、トリウムおよびウラン(VI)のスルフィト錯イオンの沈殿を調べた。ウラン(VI)では、オレンジ色の沈殿、〔Co(NH)〕〔UO-(SO)〕22HOが得られた。その沈殿は電子顕微鏡写真から稜の長さが4mの正八面体結晶であり、X線解説分析から格子定数a=10.40のダイヤモンド型立方晶系に属することがわかった。空気中で熱分解をおこなうとコバルト(II)とウラン(VI)の硫酸塩混合物を経て、850C以上で酸化物CoOとUOの混合物を生成する。トリウムの沈殿は一定組成を持たず、合成条件によって変化する。そのため、トリウムの沈殿はトリウムの水酸化物と塩基性亜硫酸トリウムを含むものと考えられる。